経済産業省北海道経済産業局とSTARTUP CITY SAPPOROが共同で取り組んでいる、J-Startup HOKKAIDO。北海道発でグローバルな活躍を目指すスタートアップ企業を選定し、支援をすることで、スタートアップの飛躍的な成長を後押しするプロジェクトです。そのJ-Startup HOKKAIDOに選定された、25社(2021年6月時点)に及ぶ企業をご紹介いたします。
今回は、株式会社RESA代表取締役 / CEO、芝 哲也さんにお話を伺いました!
ーーどんな会社で、どんなサービスや商品を提供(開発)していますか? 賃貸不動産の空室対策や売買、リノベーションなどを行う際に便利な不動産分析ツール「満室ナビ」及び賃貸仲介業者様の仲介成約率・生産性向上ツール「成約ナビ」を開発しています。
ーーなぜそのサービスや商品を提供(開発)したのでしょうか?理由をお聞かせください。
以前、私の母親がアパート経営をしていたとき空室を埋めることに苦戦していたのですが、その時解決策として、近隣の空室物件の家賃を調べて競合の家賃に合わせたり、それ以下の家賃で再募集をかけたりしていたのです。
しかし、ある時「この空室対策、逆じゃないか?」と気づきました。スポーツの場合、上手くなりたいのであれば上手い人を真似しますよね?空室で困っているのに近隣の空室物件を参考にして空室対策をしている「これって、変だよな」と。そこで、上手くいっている(成約した物件)データを集めて、成約データと空室データの違いを分析することで、最適家賃や満室にするためにはどのような設備を改修すると入居者が好むのかということが見えてきます。
このような不動産投資分析が出来るツール「満室ナビβ版」を2019年7月にリリースし、NoMaps NEDO Dream Pitch「優秀賞」、X-Tech Innovation 2019北海道地区最終選考会「特別賞」など受賞することが出来ました。
ーー提供(開発)しているサービスや商品のアピールポイントを教えてください。また、そこに至るまでの苦労などありましたら併せて教えてください。
様々なイベントで受賞させていただいたり、β版をリリースして、これから改善点を洗い出していこうとしていた矢先の2020年2月にパンデミックが襲いかかりました。VIX(恐怖指数)は80を超え、(リーマンショックに次ぐ数値です)これはまずいことになると感じたのを思えています。人々の行動は制限され、今後不動産投資は下火になるだろうと思い、まだまだ改善のポイントを探っているような「満室ナビ」ではなく、新しいサービスを考えようとしました。しかし、サービスをピボットするにもそのアイデアが思いつきません。そこで不動産会社にヒアリングを行いました。「(コロナ禍で)どんなことに困っていますか?」と。すると、不動産ポータルサイトの運営に課題を感じていることがわかったのです。
不動産賃貸仲介は、不動産ポータルサイトへ出稿する際、反響(問合せ)が取れる物件を選定し広告掲載します。しかし、反響がある物件を選定するには、店長クラスの実務経験が必要で、属人的な側面があります。
その結果、不動産仲介業者の実務上の課題として、
・物件選定のノウハウが蓄積・伝授されず、教育コストがかかる
・広告掲載には物件の写真掲載が必須だが、そもそもどの物件を選べば良いかが難しく、撮影工数が膨大
・反響がない物件の場合、広告差し替えるにも、どの物件を掲載すれば良いかの選定に時間を要する
といったことが挙げられます。
上記の課題を解決する新サービスが「成約ナビ」になります。不動産ポータルサイトへ物件掲載する前に独自のアルゴリズムで計算を行い、成約確率が高い物件から優先順位をつけて表示させます。これによって物件撮影順の示唆も可能となります。
「生産性を高め、送客するサービス」
コロナ禍から現場課題のヒアリングを実施し、新サービスの着想・実装、実証実験を行ったところ、良い結果を出すことが出来ました。プレスリリース後は、全国からお問合せをいただき導入希望のお客様と導入に向けた検証を行っています。
ーー提供(開発)しているサービスや商品のアピールポイントを教えてください。また、そこに至るまでの苦労などありましたら併せて教えてください。
成約ナビの順位付けで成約確率が高い物件がわかるということは、成約が難しい物件もわかります。成約が難しい物件はどこを改善すると成約確率が高まるかを教えるサービス「満室ナビ」(2019年7月リリース済)を使うことで解決可能です。「成約ナビ」「満室ナビ」の他にも新サービスのアイデアはあります。今後は、賃貸仲介の成約から物件リフォーム、売買へと一気通貫で業務をアシストして参ります!