北海道のスタートアップ×オープンイノベーション最前線!
Local Innovation Challenge HOKKAIDO 2023
スタートアップと北海道の自治体・事業者が協業し地域課題の解決を目指す、START
UP HOKKAIDO主催のオープンイノベーションプロジェクト「Local Innovation Challenge HOKKAIDO 2023」の成果発表会が2024年3月18日に開催され、採択スタートアップ12社が登壇しました。
セッション①環境・エネルギー
発表は、採択テーマごとに4グループに分かれてトークセッション形式で実施。
最初のセッションでは「環境・エネルギー」をテーマに、株式会社カマン、 ゼロスペック株式会社、株式会社スタジオスポビーの3社が登壇しました。
株式会社カマンは「Hokkaido Innovation Weekにてリユース容器実証実験」を実施。
2024年1月に札幌で開催された国際スタートアップ・カンファレンス「Hokkaido Innovation Week」にて、環境に配慮したリユース容器「Megloo」(メグルー)を導入し、持続可能なイベント運営を全面的にサポートしました。
Opening PartyやTechBBQ Sapporo、Networkingのケータリングやドリンク提供において、Meglooを利用することで、約3000個の使い捨て容器の削減、約60kgのプラスチック容器削減、そして約300kgのCO2削減に繋がりました。
環境意識の高い国際カンファレンスにおいて、リユース容器の利用は大変好評だったそう。
今後は札幌市内や北海道内で、テイクアウト容器としての導入を目指していきたいとのことです。
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ゼロスペック株式会社は、「自動発注配送管理システムを活用した灯油配送効率化」を実施しました。
北海道民には馴染み深い、冬の灯油配送問題。これまで配送企業はタンクの残量を確認するため、設置先に出向く必要がありました。
ゼロスペックが提供する自動発注配送管理システム「GoNOW」は、灯油タンクに設置した「スマートオイルセンサー(SOS)」で残量を遠隔監視し、クラウド上に送られたデータから自動で配送計画を作成・指示することができます。今回、このシステムを札幌市内の公共施設約30箇所で導入することにより、灯油配送スケジュールの最適化や、配送時の CO2 排出量削減、発注業務の効率化を実施しました。
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株式会社スタジオスポビーでは、「アプリケーションを活用した市民の健康増進と脱炭素推進」を実施。
2024年2月の1か月間、札幌市民を対象に「さっぽろ ウェルネス&ゼロカーボン ウォーク」を開催し、日常の活動量及びCO2排出抑制量を可視化することができるエコライフアプリ「SPOBY」を提供しました。アプリ上では、活動量やCO2排出抑制量に応じて付与されるポイントに応じて特典をゲットできる仕組みとなっており、市民の健康意識向上とCO2削減に貢献しました。
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セッション②観光・PR
セッション2では、「観光・PR」と題してforent株式会社、株式会社anystyle、株式会社humorousの3社が登壇しました。
forent株式会社は「遊休地活用のモデルケース創出及びキャンプ場開発/運営」を南幌町にて2024年夏に実施予定です。
forent社では、遊休地や遊休不動産をキャンプスペースなどのアウトドア宿泊施設として掲載し、土地保有者とキャンパーをマッチングするサービス「ExCAMP」を展開しています。今回の実証では、南幌町内の遊休地をキャンプ場として活用し、地域の方々と連携して「キャンプ×地方創生」による新たな体験価値の提供することで、地域の魅力を発信する拠点作りとなりうるかを検証をします。
株式会社anystyleは、「VTuberによる自治体の観光情報・地場産品のプロモーション企画の実施」を、さっぽろ連携中枢都市圏内9市町村とともに2024年春に実施予定です。
次世代のインフルエンサーとして若者を中心に人気を集めるVTuberを複数名起用し、自治体のPR担当としてライブ配信やSNSで地域や地場産品の魅力を発信する企画を行います。VTuberがPRした地場産品は購入ノベルティをつけてECで販売し、地場産品の売上拡大にどれだけ寄与できるか検証する予定です。
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株式会社humorousは、「高輝度蓄光素材を活用した非電力の新しい暗闇対策と空間演出」を新篠津村の天文台にて2024年春から実証予定です。
humorous社は電気工事や電源、メンテナンスが不要な高照度蓄光素材によるあかり「ナイトコンシェルジュ」を展開しています。ナイトコンシェルジュの適度な明るさが、星空観察を邪魔せずに来場者を案内できることから、新篠津村に2023年に新たにオープンした「しんしのつ天文台」にて、場内案内サインやエスコート用の新型3Dモデルを試験設置し、来場者への夜間の安全誘導と星空鑑賞を損なわない空間演出を試みます。
セッション③行政DX
セッション3では「行政DX」をテーマに、株式会社PoliPoli、株式会社Simplee、HelloWorld株式会社が登壇しました。
株式会社PoliPoliは、札幌市と協業し、「政策共創プラットフォームを用いて広聴の仕組みをアップデート」として、若者向けに理想の暮らし方についてPoliPoli社の政策共創プラットフォーム「PoliPoli Gov」を用いた意見募集を行いました。また集めた意見の分析まで実施することで、広聴における行政の負担を少なくしながら、行政と市民が政策を共創できる新たな仕組みの実現を目指しました。
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株式会社Simpleeは、「育児と挑戦の両立を支援するDXソリューション まるで習い事!知育のある出張託児Simplee」を札幌市男女共同参画センター主催の女性起業家イベントで提供しました。イベントでは諏訪CEOによる女性起業家としての講演も実施し、地域の女性による挑戦を後押しするようなイベントとなりました。
HelloWorld株式会社は「世界の教室をつなぐEdTechツール『WorldClassroom』による授業DX」を2024年度に実施予定です。
「WorldClassroom」によって世界中の教室をオンラインで繋ぎ国際交流を実現し、最新の音声認識技術を活用したスピーキング練習機能によって授業にDXをもたらし、教員の業務負担軽減に繋げます。北海道大学構内で、地域の外国人と英語でミッションをクリアしていくフィールド型国際交流「まちなかロゲイニング」も実施し、オンラインからオフラインへの一貫したグローバル人材育成を目指します。
セッション④一次産業・交通
最後のセッションでは「一次産業・交通」というテーマで、株式会社Archeda、株式会社Spatial Pleasure、株式会社AmaterZの3社が登壇しました。
株式会社Archedaは「衛星データを活用した森林資源量推定」を釧路市にて実施しました。
釧路市をはじめ多くの市町村では、既存の森林調査簿では市有林の正確な資源量や状態を把握できていないという課題を抱えているケースが多くあります。そこで本実証では衛星データによる森林資源量の推定を行い、実際に伐採後の集材量と比較を実施することで推定の精度を検証し、衛星データを活用した森林管理の業務効率化やリスクの低減を目指します。
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株式会社Spatial Pleasureは「バスのモーダルシフト効果によるCO2削減貢献量の定量化」を株式会社じょうてつとの協業で実施しました。Spatial Pleasure社では、交通事業者に対してカーボンクレジットの認証・計測のサポートを行うDMRV(measurement, reporting and verification)ソリューションを開発しています。じょうてつバスが運行することによるモーダルシフト効果(環境負荷の小さい交通手段への転換)によって、創出されているCO2削減貢献量を定量化することにより、カーボンクレジットの認証可能性を検証しました。
株式会社AmaterZは「タフなIoTセンサーtukumo(つくも)による豚舎環境の可視化、データを活用した管理方法を提案」を士別市の中多寄農場、株式会社北海道フィードワン販売との協業により実施しました。
豚の健康管理において温度と換気は重要であり、暖房効果を保ちつつ換気をする方法が求められています。本実証実験では豚舎内でも使用できるIoTセンサー「tukumo」を設置し、温度や二酸化炭素、アンモニア濃度を測定して換気ムラを可視化。このデータを使って効率的な換気方法を検討し、暖房費を節約しつつ豚の健康確保につながる方策を探りました。
ネットワーキング
トークセッションの後は、ホワイエでネットワーキングが実施されました。
本プログラムをきっかけとして、スタートアップ各社の北海道での事業展開に繋げていただければと思います!
Local Innovation Challenge HOKKAIDOプログラムは2024年も実施予定!
5月15日よりスタートアップの募集が開始しますので、ぜひ奮ってご応募ください!
本件に関するお問合せ
Local Innovation Challenge HOKKAIDO事務局
lich@startuphokkaido.com